「退院できることになりました」
本来なら喜ばしい言葉ですが、認知症のある親が一人暮らしをしている場合、家族にとっては新たな不安の始まりになることがあります。
「一人で薬を飲めるの?」
「ご飯はちゃんと食べられるの?」
「仕事があるから毎日は見に行けない」
「でも施設に入れるほどではないと言われた」
こうした悩みを抱える家族は少なくありません。
この記事では、認知症のある方の隊員後について、一人暮らしを続ける判断のポイントや、家族だけでは介護できない場合に相談できる場所を看護師目線でわかりやすく紹介します。
認知症でもひとり暮らしはできる?
認知症と診断されたからといって、すぐにひとり暮らしができなくなるわけではありません。
大切なのは、病名だけでなく「実際の生活をどこまで自分で続けられるか」です。
例えば、
・自分で食事を取れる
・薬を正しく飲める
・トイレに行ける
・買い物やお金の管理ができる
・火の管理ができる
・困ったときに助けを求められる
などを確認します。
できないことがあっても、訪問介護やデイサービス、家族の見守りなどを組み合わせることで、ひとり暮らしを続けられる場合もあります。
ひとり暮らしが心配になってくるサイン
家族が特に注意したいのは、次のような変化です。
・薬の飲み忘れや重複が増えてきた
・冷蔵庫に同じ商品が大量にある
・食事を取れていない
・火の消し忘れがある
・転ぶことが増えた
・道に迷うことがある
・お金の管理が難しくなってきた
・電話や訪問販売でトラブルになる
・家族への連絡が極端に増えた
一つ当てはまったらすぐ施設、というわけではありません。
ただ、「以前よりもできたことができなくなっている」場合は、退院後の生活を見直しサインになります。
「退院と言われたけど、家では見れない」
家族からすると、ここが一番困ることだと思います。
本人は「家に帰りたい」
でも家族には仕事があり、24時間見守ることはできない。
こういうときに大切なのは、無理に「家族でなんとかします」と言わないことです。
病院の看護師や退院支援担当者に、
「日中は仕事で誰もいません」
「毎日の介護は難しいです」
「夜間の見守りができません」
など、できないことを具体的に伝えてください。
家族がどこまで支援できるかも、退院先を考えるうえでとても重要な情報です。
家族だけが介護できないときの選択肢
自宅に変える場合でも、家族だけですべてを抱える必要はありません。
例えば、
訪問介護
→食事、掃除、入浴などの生活面を支援してもらう
訪問看護
→体調管理、服薬確認、医療処置などを受ける
デイサービス
→日中施設で過ごし、食事や入浴などの支援をうける
ショートステイ
→数日間施設に泊まり、家族の負担を減らす
といったサービスがあります。
状態によっては、グループホームや介護施設などを検討することもあります。
「自宅か施設か」の二択ではなく、本人・家族・サービスを組み合わせて生活を作るという考え方が大切です。
まず誰に相談すればいい?
入院中なら、まず病院のスタッフに相談して大丈夫です。
病院によって名称は違いますが、
・病棟看護師
・退院支援看護師
・医療ソーシャルワーカー
・ケアマネジャー
などが関わります。
退院後や在宅生活について相談したい場合は、地域の地域包括支援センターも相談先の一つです。
「どのサービスが必要かわからない」という段階でも相談できます。
看護師として感じること
実際の退院支援では、本人の希望と家族の現実が一致しないことがあります。
本人は「家に帰りたい」と希望していても、家族には仕事や自分の生活があります。
逆に家族が施設を希望していても、本人は自宅を強く希望することもあります。
どちらが正しいという話ではありません。
大切なのは、「退院できるか」ではなく「退院した後も生活を続けられるか」まで考えることだと思います。
家族だけで無理をすると、最終的に家族も本人も苦しくなってしまいます。
使えるサービスや周囲の力を借りながら、現実的な方法を探していくことが大切です。
まとめ
認知症があっても、支援を受けながらひとり暮らしを続けられる方はいます。
一方で、
・薬が管理できない
・食事が取れない
・火の管理ができない
・徘徊や転倒の危険がある
などの問題が出てきたら、生活方法を見直す必要があります。
そして、家族が介護できないことは隠さず、病院やケアマネジャーなどに伝えることが大切です。
本人の「家に帰りたい」という気持ちも大切。
家族が無理なく生活できることも同じくらい大切。
その両方を考えながら、その人にあった退院後の生活を探していくことが重要だと思います。


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